窃盗罪と強盗罪
この2つは密接に関係しているということは
警備員としての新任教育でもあまり聞かない話なんじゃないかな?と思います。
今回は、その窃盗と強盗の違いについてお話します。
窃盗罪とは?
窃盗罪とは、他人の財物を故意に持ち去ることや無断で使用することを禁止する罪です。
窃盗罪を犯した者は、刑法235条により、10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。
要は、簡単に言うと万引きや、置き引き等といった
他人の所有物を故意に持ち去ることを言います。
奪い返しても窃盗罪になることもある
ここで注意しないといけないのは奪い返しても窃盗罪になるケースがあるということです。
例えば自転車が盗まれた
↓
盗まれた現場を目撃したから捕まえた
これは、現行犯逮捕が適用されるため、窃盗罪にはなりません。
自転車が盗まれた
↓
後日盗まれた自転車をのっているひとを見つけたため奪い返した
この場合「自救行為」と呼ばれますが
原則的に、後者の場合も窃盗罪が成立しまう可能性があります。
この場合は、速やかに警察機関などに届出を行う必要があるのではないかと思います。
なお、これらの量刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります。
強盗罪とは
強盗でパッと思い浮かぶのは
銀行強盗やコンビニ強盗等を思い浮かぶ人が多いのではないかと思います。
現に法律では「暴行又は脅迫により,被害者の意思に反してその財物(金品)を奪う行為」
とされております。
例えば、拳銃などを持って、銀行へ押し入り
「金を出せ」と脅す行為は、脅迫により被害者の意思に反してその財物を奪おうとする行為
であり、現に奪っていない状況ですので、強盗未遂となります。
また、現に奪って逃げたのであれば強盗罪となります。
但し、量刑は共に5年~20年の懲役刑となりますので
押し入って「金を出せ」と脅した時点で同様の扱いとなると思っていいのではないかと思います。
事後強盗罪というのがある
さて、話は戻りますが窃盗で捕まっても強盗の扱いになることもあります。
それは、事後強盗罪と呼ばれるものであります。
例えば
万引きで警備員に捕まった
↓
警備員を振り払い逃亡しようとしたが
その際に警備員にけがを負わせた。
この場合、「暴行(警備員に)又は脅迫により,被害者(お店)の意思に反してその財物(金品)を奪う行為
という事となりますので
窃盗罪ではなく強盗罪が成立します。
その場合は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金から、ランクアップし
5年~20年の懲役刑となります。
悪い事はするもんじゃない
まぁ、結果的には「悪い事はするもんじゃない」という結論なのですが
特に「自分の意図に反した」結果となっても
時にはとんでもない事となる可能性があります。
今回の窃盗と強盗のお話についてはその一例です。
ちょっとしたことで、刑務所に入ったり、罰金刑になったり
そんな事しても面白い事なんか無いんじゃないでしょうか。