警備業務中の事故のひとつとして
交通誘導の隊員さんが車にひかれてしまう事故というのは
毎年どこかで1件は耳にします。いたたまれない話です。
警備の種類を問わず、得てして危険に遭遇する可能性が一般の方と比較すると高い業務であります。
特に交通誘導は道路上で行われる事が多いため
常に安全に配慮しながら業務を行う必要があります。
その中で今回は、適切な立ち位置が大事であるというお話をさせて頂ければと思います。
交通誘導警備業務(いわゆる2号警備)は前述したとおり、交通事故の危険性をはらんだ業務であります。
そして、昨今よく言われる警備員の高齢化が輪をかけて、「とっさの判断力の低下」により事故が起きてしまう
事が良くあるようです。
厚生労働省の統計で、交通誘導中の事故は高齢になればなるほど増えており
業務経験が長い方程、自己の技術の慢心により事故率は比較的に高くなっている傾向にあります。
その中で、事故に遭わないようにするにはどうすればいいか。
答えは簡単です。
車道に出ないこと。
100%遭わないようにすることは無理ですが、これを行うことで
業務中の事故というのは格段に下がっていくと思っております。
その中で立ち位置というのは重要です。
道路というのは場所によって変わります。
高速道路か一般道かというだけで十分変わりますし
何車線道路か。車の通行量は多いか少ないか。歩行者の通行量は多いか少ないか。
警備の種類は幅寄せのみで解決するか。はたまた片道交互通行の必要性はあるか。
少し考えただけでこれだけ多くの要素が道路を識別する方法としてあります。
まぁ、こればっかりは慣れなので、現場を経験した上で安全な場所を探していかないとならないとは思います。
しかし、絶対安全だと言いきれる場所が1か所あります。
それは歩道です。
車が通ってこないですからね!
歩道上で作業が可能な場合は極力歩道で業務を行うことは非常に大事なことであると思っております。
また、車道に出ざるを得ない警備を行う場合であっても
衝突防止のため何かしらの保安用資器材を置くことが大事です。
保安用資器材の前に立って警備を行っている隊員さんを目にすることがあります。
ドライバーに分かりやすいようにしなきゃと思う気持ちは分かります。
しかし危ないです。
例えばドライバーがよそ見をしていて現場に衝突したときに
まず資器材があれば、衝突音で気付きます。
しかし人間は音が出るわけではないですし、そもそもぶつかった後では時すでに遅しなのです。
そして、我々が適切な立ち位置でなかった結果、物損事故で済んでいた事故も
人身事故になってしまいます。
危なければ避ければいいという方も多くおられるかと思いますが
人間とっさに避けられるほど判断力は高くないので注意する必要があります。
これらを踏まえて、適切な立ち位置を行うことで自分も痛い思いしないで済みますし
ドライバーも自分の車だけ痛かったというだけで済みますので、自分の安全を守るということは
事故を最低限に抑える効果もありますので決して道路上に出て警備を行わないようにしていただければ
雇用する側からも安心して送り出せますのでご協力をお願いいたします。